NEC、急拡大組織を支えたマネジメント改革
──共通言語がマネージャーの自信と組織の熱量を高めた軌跡
日本電気株式会社
テクノロジーサービスソフトウェア統括部
統括部長 秀島功介さん
ディレクター 原口敦史さん
マネージャー 中山皓さん
日本の通信・ITインフラを支える代表的な企業であるNEC(日本電気株式会社)。同社は自らの存在価値を「社会価値創造型企業」と再定義し、ICT企業から社会課題解決企業への変革を進めています。
この大きな変革に向き合うテクノロジーサービスソフトウェア統括部では、ビジネスモデルの転換と組織の急拡大に伴い、マネジメントのあり方を見直す必要がありました。ピープルマネージャー(部下を持つ管理職:以下、マネージャー)が本来やるべきことに注力するために導入したのが、「EVeMマネジメントパートナー」です。
同部では、約40名のマネージャー全員にトレーニングを展開。大手企業の組織の中で、いかにして「マネジメントの型」という共通言語を浸透させ、個人の自信と組織の熱量を取り戻したのか。導入を推進した統括部長 秀島功介さん、ディレクター 原口敦史さん、マネージャー 中山皓さんに、その軌跡を詳しく伺いました。 (肩書は取材当時のもの)
戦略も組織も変わり、マネジメントのあり方が揺らいでいた
――はじめに、テクノロジーサービスソフトウェア統括部のミッションと、皆さんの役割を教えてください。
秀島さん(以下、敬称略):テクノロジーサービスソフトウェア統括部は、NECのソフトウェア事業を幅広く担っている部門です。主に運用DXを推進するソフトウェアと、新規事業のソフトウェアの2つの柱があります。近年は全社で成長領域へのリソースシフトを加速させており、組織改編によって私たちの統括部の規模は数年で約3倍、300人規模へと急拡大しました。組織が大きくなったため、2025年度から統括部内にCXO制度をつくり、統括部長に加えてCFO(Chief Financial Officer)やCRO(Chief Revenue Officer)などの役職を設けました。
テクノロジーサービスソフトウェア統括部 統括部長 秀島 功介さん
原口さん(以下、敬称略):私はシステム運用のDXを支援するSaaS事業の責任者を行いながら、統括部の人材の育成を担当するCHRO(Chief Human Resource Officer)を担っています。
中山さん(以下、敬称略):私は、マネージャーになって1年目で、新規ビジネスの開発を推進しています。新規ビジネス開発と並行し、原口とともに統括部内の人材育成も担当しています。
――EVeM導入前の課題について教えてください。
秀島:組織が急に大きくなったことに伴い、この1年でマネージャーを15名から40名へ増やしたため、マネジメント経験のばらつきや、マネジメントに関する共通認識が醸成しきれていないという点に課題を感じていました。
原口:実際にマネジメントに関するアンケートを取ってみると75%のマネージャーが何かしらの不安を抱えているという結果が得られました。具体的に調査を進めると、「事業」に関しては若い時からの多くの経験を通じているため自信があるが、「人材育成」や「組織作り」になると経験や共通言語のようなものがなく課題を感じている人が多いことがわかりました。
私たちの組織は今、従来のICTシステムの部品となるソフトウェアの販売から価値提供型のリカーリング型ビジネスへとビジネスモデルの変革を進めています。既存のビジネスを堅持しながら変革に向けた挑戦へとリソースをシフトしていかねばならず、マネージャーの負荷も全体的に上がっていました。
テクノロジーサービスソフトウェア統括部 ディレクター 原口 敦史さん
秀島:昨今はコンプライアンス遵守やハラスメント防止など、マネージャーとしてやるべきことも増え、複雑さも上がっています。こうした状況もあり、マネジメントの負荷を低減し、本来やるべきことに注力できる環境を作るためにも、統括部のマネージャー全員で、マネジメントのあり方を考える機会が必要だと考えました。
「マネジメントとは何か」という問いに答えを出すために
――数ある研修サービスの中で、なぜEVeMに注目されたのでしょうか?
中山:EVeMに出会ったきっかけは、2024年秋に開催された外部イベントでした。そこでEVeMの展示があり、「マネジメントの型」という考え方に惹かれたのです。「マネジメントの全ては、100個の型に紐付けられる」と言っていたことが印象的でした。

テクノロジーサービスソフトウェア統括部 マネージャー 中山 皓さん
原口:過去に受けた1on1研修やフィードバック研修などのマネジメント関連の研修では断片的なスキルは身につくのですが、マネジメント全体を網羅するようなものではなく、私自身「マネジメントができている状態とは何か」という問いにモヤモヤしていました。言語化できないものは改善がしにくいため、EveMの型の話を聞いたときに「この型を身に付ければ、自分の迷いはなくなるかもしれない」と、当時の課題感にマッチしました。
秀島:EVeMが掲げるマネジメントの型は、シンプルで体系的です。これなら組織全体で共通言語として浸透でき、日々のマネジメントの中でも活用しやすいのではないかと考えました。他社サービスとの比較検討に時間を費やすよりも、まずはやってみて、よければ継続し、そうでなければやめればいいとスピード感を重視して、まずは少人数から導入を始めてみることにしました。
大きな組織だからこそ、スモールスタートが重要
――大規模な組織において、40名のマネージャー全員に導入するのは容易ではなかったと思います。浸透させるために工夫したことはありますか?
中山:スモールスタートで始める際に、受講後の意見に説得力を持たせるために、できるだけ事業が異なり様々な角度で評価ができるように人選も工夫しました。実際に私と、原口含む6名で受講しましたが、6名ともマネ型が統括内に浸透すればマネジメントへの考え方や行動の変革につながると実感でき、是非、統括内のマネージャー全員で受講することを提案しました。
秀島:受講したメンバーの熱量は感じましたが、大きな組織なので、全員の温度感が同じわけではないため、上層部から一方的に受講を促される研修では、やらされ感が出てしまい、効果が薄れてしまいます。そこで、私からは各階層のメンバーが納得感をもって受講できるように工夫してほしい旨を伝えました。
原口:統括部の定例で私たちが体験したことを丁寧に説明しましたが、単に説明しただけでは温度感を上げるのは難しいと思い、百聞は一見に如かずとある通り、EveM代表の長村さんにお願いし、統括部のマネージャー全員を対象に、1時間の体験会を行っていただきました。
1時間という短い時間ではあるものの、受講後のアンケートでは、「もやもやしていたことが言語化でき非常にしっくりきた」「是非、マネ型パートナーのフルコースを受講したい」という声が多数あがり、自信をもって全員で受講するという決断に至りました。
秀島:体験研修も、フルコースの研修も、マネージャー40名全員が参加しました。欠席者が誰一人いなかったことに驚きましたね。統括部長である私だけでなく、各現場のマネージャーも同じようにマネジメントに悩んでいるのだと感じましたし、「マネ型パートナー」への期待値が高いこともうかがえました。
「各現場のマネージャーも同じようにマネジメントに悩んでいるのだと感じた」と語る秀島さん。
統括部長・ディレクター・マネージャー、それぞれの階層で起きた変化
――マネージャー全員でコアとなる「マネ型」の考え方を学んだ後、実践編としてEVeMのトレーナーとの1on1を隔週で6回にわたり実施しました。一連のトレーニングを終えて、どのような変化を感じていますか?
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秀島:統括部トップとして、自分の言葉で組織の方向性を伝えることが重要だと改めて認識しました。直接の現場を持たず、数百人の組織をリードする私に対して、トレーナーは「秀島さんが考える『経営人材』とは何か?」といった本質的な問いを投げかけてくれたのです。問いに対して徹底的に言語化すると、自分が曖昧に捉えていた部分に気づきます。自分自身が言葉にできないことは、相手に伝わるはずがないと痛感しました。
原口や中山は、私と違う立場なので、1on1の内容も違ったようです。現場のマネジメントから上位のポジションまで、一人ひとりに応じて柔軟に対話していただけるのはありがたいですね。
原口:私は、感覚でやっていたマネジメントがマネ型によって整理されたと感じています。型という論理的な側面と、人の心に向き合うマインド面の双方から学べたことで、納得感もありました。
1on1を受けていた時期は組織変更のタイミングと重なり、新しい組織で何を優先すべきか、「執行」「活用」「伸張」「連携」という4つの基準に沿って考えられたのがよかったです。そのうえで、実際にどのような行動を取ったのかを2週間に一度の1on1でトレーナーと確認し、改善することができました。座学だけで終わっていたら、ここまで腹落ちすることはなかったと思います。
「感覚でやっていたマネジメントがマネ型によって整理された」と話す原口さん。
中山:私は現場のマネージャーとして、2週間ごとにマネジメント行動を振り返るサイクルが最適でした。これまでは半年単位で目標を立てて行動していましたが、現場は2週間もあれば状況が変わります。毎回の1on1で「今は執行を重視すべきだ」「今は活用に注力しよう」と軌道修正でき、格段に動きやすくなりました。
原口:また私たちだけでなく、ディレクター会議や、マネージャー層と行う実務での1on1における会話でも、マネージャー全体での変化が見られています。以前はタスクの進捗確認が中心でしたが、メンバーをどう育成すべきか、数年後を見据えて誰をどのタイミングで昇格させるのが適切かといった、人や組織に目を向けた対話が増えました。
秀島:昇格直後のマネージャーや、初めて部下を持つマネージャーからは、「今やるべきことがはっきり理解できた」という感想が多くあがっています。特に経験が浅いマネージャーにとっては、型だけでなく1on1の中でコーチの方と次に何をしていくかを相談しながら進められたことで、助けられる場面が多いと思います。
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――「AIマネジメントサーベイ」の結果はいかがでしたか?
原口:定量的に結果が出ることで、自分たちの強みと弱みがクリアに把握できました。その一例として、マネジメントの基準の4つのうち「執行」はできているが「活用」が弱い傾向が明らかになりました。マネージャー本人は「活用」ができていると認識しているものの、上司の期待には届いていない点やメンバーから求められていることにギャップがあったのです。
組織全体の傾向だけでなく、「このマネージャーは負荷が高すぎるので、ケアが必要」といった個々人に対する深い洞察まで提示してくれる点が得られるのがありがたいです。
中山:一連の取り組みを終えた後、受講者から希望があり、統括部内で勉強会を開催しました。他のマネージャーが型を効果的に活用しチームの意識が変化した点やメンバーとの1on1の中で会話が弾んだなど成功事例を共有しました。似たような課題を抱えているマネージャー同士の活用方法は一番の学びになりますし、今後も継続していきたいと思います。
原口:こうした自発的な動きが起きているのは、マネ型が個別のテクニック論ではなく、マネジメントをより良くできる実践性に富んだ内容だからだと思います。受講者が「学んだことを使ってみよう」と自然と思えるコンテンツであることに感謝しています。

「人への投資」が継続的な事業成長につながる
――今後の展望をお聞かせください。
中山:EVeMで得たマネジメントの技術を、メンバー層にも広げていきたいと考えています。メンバーも共通言語を知っていれば、マネージャーがなぜその行動を取るのかが理解でき、チーム全体の動きがよりスムーズになるはずです。

「メンバーも共通言語を知っていれば、マネージャーがなぜその行動を取るのかが理解でき、チーム全体の動きがよりスムーズになるはず」と中山さん。
原口:「マネ型」という共通言語を持つことで、孤独になりがちなマネージャーが互いに助け合い、成長できる土壌ができました。この縦横のつながりをもっと強化し、マネージャーが生き生きとやるべきことにフォーカスできる状況を作り、事業や組織の成長につなげていきたいです。
秀島: 私は、人に投資しない限り事業の継続性はないと考えています。短期的な数字を追うだけならコスト削減などの手法もありますが、継続的な成長にはそれを支える人が必要です。今回の変化を一時的なもので終わらせず、定着させるための取り組みを続けていきたいと思います。
――最後に、同じ悩みを抱える他社へのメッセージをお願いします。
秀島:マネジメントに関する課題感をもつ組織は多いと思います。それを解決する際、企業内のリソースだけで進めようとするのではなく、EVeMのような外部パートナーに頼る部分もあっていいのではないでしょうか。人間の心理として、部門内の上司が指摘するより、外部の方から学びを得て大きな刺激を受けることもあるはずです。
そして、マネジメント改革は、トップダウンだけでもボトムアップだけでも実現しません。トップの号令で進めても「やらされ感」が残りがちですし、逆にトップがコミットしないと定着が難しくなります。あらゆる階層のメンバーが納得し、合意したうえで取り組みを実施することがポイントだと思います。

「マネジメント改革は、あらゆる階層のメンバーが納得し、合意したうえで取り組みを実施することがポイントである」と一致。
お客さまインタビュー
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ココナラ執行役員が語る「できる」と思う人ほど、マネジメントを学ぶべき理由株式会社ココナラ
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DMMらしい“勝利にこだわる”マネジメントを求めて――挑戦し続ける組織を後押ししたのはEVeMのマネジメントの型合同会社DMM.com
合同会社DGホールディングス代表 清水 勇人 さん 合同会社DMM.com 組織管理本部 人事部 兼 合同会社EXNOA 人事部長 黒田 賢太 さん -

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「自分の専門性は何?」オイシックス・ラ・大地のサービス責任者が、マネジメントの悩みを強みに変えるまでオイシックス・ラ・大地株式会社
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