マネーフォワードがあえてマネジメントの「型」を選んだ理由

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株式会社マネーフォワード マネーフォワードビジネスカンパニー
リーガルソリューション本部 本部長 髙木 雅史さん
リーガルソリューション本部 カスタマーサクセス部 部長 西川 穣さん
リーガルソリューション本部 マーケティング部 リーダー 黒須 奨平さん

マネーフォワードの法人向けSaaS事業を担う「ビジネスカンパニー」。その中で、法務・コンプライアンス領域の課題解決を専門とし、契約業務の変革を推進しているのが、リーガルソリューション本部です。

同部門では、組織の拡大に伴い体制変更を行うタイミングで「マネジメントの学び直し」がテーマに上がりました。

すでに他社のマネジメント研修も取り入れていた中で、あえてEVeMを導入した背景とは。そして、どんな成果が生まれたのでしょうか。



組織の拡大とともに芽生えたマネジメントの懸念

▼当時のチーム状況について語る、リーガルソリューション本部 本部長の髙木 雅史さん

当時のチーム状況について語る、リーガルソリューション本部 本部長の髙木 雅史さん

―――当時の課題について聞かせてください。

髙木さん(以下、敬称略):当時は、プロダクトをローンチしてから3年が経ち、立ち上げと初期のモーメンタムが落ち着いたことで、第二次創業期へと変化したタイミングでした。ビジネスサイドのチームも数十名規模になってきたことで、組織としても新たなフェーズに入っていました。

それまでは、私が事業責任者としてプレイングマネージャーのような立ち位置で全体を見ながら、現場のメンバーと密に動く“文鎮型”の体制でした。しかし組織が拡大するにつれて、私自身がより大きな課題を解きにいくことと、メンバーの日々の細やかな成長を発見し背中を後押ししていくといった質の高い1on1を継続していくことの両立に難しさを感じており、ミドルマネージャーを中心とした“構造型”の体制にシフトする必要性を強く感じていました。

▼立ち上げ当初の“文鎮型”の組織体制

立ち上げ当初の“文鎮型”の組織体制

 

▼組織の拡大とともに求められるようになった“構造型”の組織体制

組織の拡大とともに求められるようになった“構造型”の組織体制

これまで私自身が一度にマネジメントしてきた人数は20人程度であり、比較的少人数のチームで成果を出していく環境でキャリアを重ねてきたため、複数の階層を持つ組織や、大人数のチームをマネジメントする経験はほとんどなく。正直に言うと、その過程でうまくいかなかったことも多く、マネジメントに対して今でも苦手意識を持っています。

そうした中で、チームがさらに成長していくうえでは、自分がボトルネックになってしまうのではないかという危機感を持っていました。経験則や現場感覚だけでやっていくのではなく、マネジメントを体系的に学び直し、チームを支える土台をしっかり整えたい。そんな思いから、トレーニングの導入を検討し始めたのが当時の背景です。

―――チームの成長過程で、マネジメントに注目されたのはなぜでしょうか。

髙木:マネジメントの重要性について強く意識するようになったのは、過去の苦い経験が背景にあります。以前在籍していたスタートアップで、充分なスキルセットを持ち優秀なメンバーが集まったチームを任されたことがありました。過去の実績も含め申し分ないメンバーばかりだったのですが、それでもチームとしてはうまく機能しなかったんです。

能力があるメンバーが集まっているのに、思うような結果につながらない。このときに「どんなに優れた人が集まっていても、マネジメントが機能しなければ組織は動かない」ということを痛感しました。

私たちの本部が成長し、マネジメントの役割も階層化していくなかで、私も含めてマネジメントメンバー同士での共通言語を構築していきたいと常々考えていました。

実務に活かすべく、“型”の習得へ

▼マネジメントの理論と型を習得した皆さん

マネジメントの理論と型を習得した皆さん

―――対策としてどんな選択肢がありましたか。

髙木:当時、外部の専門企業の力を借りることを視野に入れ、複数のサービスを検討していました。

実はすでに事業部内の全リーダーで受講していたマネジメント研修があり、そちらでは組織効力感や経験学習理論、成人発達理論といった、マネジメントの根本にある構造や考え方を理論的に学んでいました。その研修は抽象度の高い内容も様々な理論をもとにわかりやすく整理されていて、1on1の現場でアクションできる内容をもとに実践に繋げることができました。その研修を受けたことにより「マネジメントのOS」をインストールできたような感覚がありました。

一方で次のステップとして、事業目標から逆算して、各部門の行動をどのようにメンテナンスしていくかというような事業成長にフォーカスした点では、より他のアプローチも必要だと感じるようになりました。1on1が変わっていくことによって個人と組織の成長にフォーカスできるようにはなりつつありますが、事業目標から逆算したときに、どのようなフォーマットで、どのような進捗管理をしていくか、ということの共通言語も必要だと思ったんですね。

そこで、目標達成に向けたマネジメントの「型」を、現場で再現性あるものとして定着させていくために、EVeMのマネジメントトレーニングの受講を検討しました。EVeMには、事業責任者を経験されていたトレーナーの方も多く在籍されており、まさに事業目標の達成から逆算した型作りの部分に対する強みがあると感じ、相談に至ったという経緯です。

チーム全体の意思決定や振り返りがスムーズに

▼リーガルソリューション本部が提供するワンストップ契約管理サービス「マネーフォワード クラウド契約」

リーガルソリューション本部が提供するワンストップ契約管理サービス「マネーフォワード クラウド契約」

―――受講前後を比べて、組織にはどんな変化がありましたか。

髙木:一番の変化は、マネジメントにおける共通のフォーマットやアウトプットの型ができたことです。

受講前はそれぞれの経験をベースとした施策の管理をしていて、目標の捉え方や評価の基準にばらつきがありました。たとえば、定性的な目標の達成基準が人によって違い、振り返りの際も「達成できたと申告を受けているものの、もう1歩踏み込む必要があったのではないか」と感覚がズレてしまうような状態です。

それが受講を通じて、目標設計や状態定義の考え方を共通化できたことで、チーム全体での意思決定や振り返りがスムーズになりました。実際に下期のスタート時には、「施策立案はこのフォーマットと粒度で進めよう」とすぐにマネジメント陣での合意が取れ、現在の育成計画や組織づくりにもつながっています。

―――EVeMのどんな「型」や考え方が組織として有効でしたか。

髙木:チーム全体の仕組みとして、特に効果を感じたのは「状態目標」の考え方です。

達成状況を定性的なコメントで判断するのではなく、25点・50点・75点……と段階的に可視化することで、メンバーの振り返り精度の向上や、「未達だけどここまでは達成できた」という自己効力感の醸成に効果がありました。

―――カスタマーサクセス部門、マーケティング部門のマネージャーとして受講された西川さん、黒須さんはいかがですか。

▼現場マネジメントでの「型」の活用を語る、カスタマーサクセス部 マネージャーの西川 穣さん

現場マネジメントでの「型」の活用を語る、カスタマーサクセス部 マネージャーの西川 穣さん

西川さん(以下、敬称略):最も大きな影響はチームの役割を定義することの重要性に気づけたことでした。チームにとって当たり前だと思っていたことも、改めて言語化して共有することで認識が揃い、行動の質が変わってきました。

また、戦略設計のフレームワークであるGPKa※を使って、チームの最重要目標に対する抽象的なイシューを具体化し、建設的な議論ができるようになったことも大きな前進だと感じています。

(※GPKa:目標・戦略方針・Key Driver・重要アクションの頭文字を取ったもの)

黒須さん(以下、敬称略):印象的だったのは、ティーチングとコーチングの使い分けの基準とその実践方法です。

学んだ直後から現場で実践しやすく、行動にすぐ反映できたことで自信にもつながりました。また、西川からもあったGPKaも自分の中にあったモヤモヤを整理する上で効果的でした。私のチームでのこれからのプロジェクト設計にも活かしていくつもりです。

▼EVeMの戦略設計フレームGPKaの活用状況について語る、マーケティング部 マネージャーの黒須 奨平さん

EVeMの戦略設計フレームGPKaの活用状況について語る、マーケティング部 マネージャーの黒須 奨平さん

現場のマネジメントの質を磨く“プロとの対話”という習慣

▼今回受講した皆さんと、マネーフォワードのクラスを担当するEVeM Management Partnerの小倉 弘也

今回受講した皆さんと、マネーフォワードのクラスを担当するEVeM Management Partnerの小倉 弘也

 

―――担当トレーナーの小倉による継続支援はどんな成果につながっていると感じますか?

 

西川:たとえば「これをやろうと思ってるんです」と相談したときに、「それって何のためにやるんだっけ?」と目的から見直すよう促される。その問いかけがあることで、チームとして向かう方向や、具体的なアクションがより明確になる感覚があります。

 

黒須:進めようとしていることについて相談すると、毎回的確な引き出しを提示していただけるのが非常に助かっています。同様のケースにおける他社事例の紹介やアドバイスなど、視点が広がることで自信を持って物事を進められるようになりました。

 

今は2週間に一度のペースで小倉さんと進捗確認の機会があるので、自然と「この日までにここまで固めよう」と動けるようになっていて、必ず前に進む実感があります。こうした“進捗を後押しする環境”があることが、自分にとって非常にありがたいと感じています。

 

一人ひとりのメンバーが意義を感じながら前進できるチームでありたい

▼「マネーフォワード クラウド契約」サービスサイト

「マネーフォワード クラウド契約」サービスサイト

―――今後、どんな組織作りを目指しますか。

髙木:今後も、組織効力感の高いチームづくりを目指していきたいと考えています。「自分たちならきっと成果を出せる」「この状況も自分たちならきっと乗り越えられる」と本気で信じられるチームを作りたいです。

事業フェーズによっては、これからも苦しい局面はあるはずです。だからこそ、メンバー一人ひとりが日々の経験から学びを積み重ね、自分なりの楽しさや意義を見出しながら前進できるチームでありたいと思っています。

そのためには、マネジメント陣に、人材育成の共通理解や、事業進捗を追う際の共通言語ができていることが重要だと考えています。素早く脳内同期をはかり、ナナメのコミュニケーションも含めてチーム全体をリードしていくことができる組織基盤をこれからも整えていきます。

今後も、EVeMの考え方や「型」を羅針盤として活用しながら、“マネジメントチーム”として機能し「進化していく組織」をつくっていきます。

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リーガルソリューション本部
本部長 髙木 雅史さん

リーガルソリューション本部
カスタマーサクセス部
部長 西川 穣さん

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リーダー 黒須 奨平さん

※役職は2025年5月取材当時のものです。

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