“阿吽の呼吸”が通用しない中、
「マネジメントの技術」はどう効いたか
株式会社find
代表取締役CEO 高島 彬さん
管理部長 奥田 恵さん
「落とし物が必ず見つかる世界へ」をビジョンに、「落とし物プラットフォーム」を運営するfind。
同社が提供する「落とし物クラウドfind」は、鉄道や空港、商業施設、タクシーなどで拾得された落とし物情報を一元管理し、チャットを通じて即時の検索・返却対応を可能にするサービスです。2021年12月の設立以来、京王電鉄を皮切りに京急、羽田空港、都営地下鉄、JR東日本など国内の主要交通・施設へ導入が進み、導入実績は拠点数2,300以上、登録件数180万件超と急成長中です。
そんなfindの組織づくりの裏側を伺うべく、代表取締役CEO 高島彬さんと、管理部長として人事・制度設計に取り組む奥田恵さんにお話をお聞きしました。
“阿吽の呼吸”からの卒業へ
▼事業成長に伴い「(自身の意識を)起業家から経営者に変えなくてはいけないタイミングが来ていた」と語る高島さん

―――組織体制としてはどんな課題がありましたか。
高島さん(以下、敬称略):findは数年後にIPOを行い、その時点で「世の中の落とし物の半分以上をカバーし、社会インフラになる」ことを目標に掲げています。その実現には、現在のサービスをSaaS型へ転換するための開発と、急増する案件に対応するリソースの確保、つまり人員の拡充が必要でした。
ただ、事業の成長に比例してただ単純に人を増やすだけでは、組織としての持続性に欠けてしまいます。だからこそ、変化に柔軟に対応できる体制を見極めながら、組織そのものを強化していくことが当時の大きなテーマとなっていました。
▼交通機関を中心に続々と導入が進んでいる「落とし物クラウドfind」

―――マネジメントという点ではどんな課題がありましたか。
高島:大きなトラブルがあったわけではありませんが、目標設定があいまいだったり、1on1も雑談のようになってしまっていたりと、マネジメントに対する共通認識がない状態でした。
これまでは“阿吽(あうん)の呼吸”でなんとなく組織がまわっていたのですが、部長という新たなレイヤーを設けて人も増え、組織構造が複雑になっていく中で、今のままのやり方では限界があるのではと感じるようになりました。自社に必要なマネジメントをきちんと言語化し、仕組みに落とし込むことの重要性を強く実感していたタイミングでした。
私自身もそれまで本格的な評価やマネジメントの経験がなく、まずは自分が基礎を学ぶ必要がありましたし、当時のメンバーの多くもマネジメント経験のない状態でした。だからこそ、全員が共通言語を持ち、同じ「マネジメントの基礎」を学ぶことが、これからの組織づくりには欠かせないと考えていました。
センスではない“技術”としてのマネジメントに共感
▼高島さん、奥田さんのクラスを担当したEVeM Management Partner 村上 駿太

―――そんな中で、EVeMのプログラムを選択した決め手を教えてください。
高島:EVeMのことは、経営者や事業責任者が集まる「ICCサミット」で、代表の長村さんの講義を聞いたことがきっかけで知りました。その講義で、EVeMの持つマネジメントナレッジの実用性に驚き、「誠実ゾーンでのフィードバック」など、すぐに社内で内容を共有したほど印象に残っていました。
一番の決め手は、EVeMがマネジメントを「組織や事業成長のための手段」として捉えている点に共感したことです。
マネジメントは個人の資質ではなく、誰もが後天的に身につけられる技術であり、組織を動かし事業を前に進めるための“道具”として育てていくべきもの。そうした考え方は、まさに私たちが目指す組織像と重なっていました。
「まずはこの型を全員で共通の教科書としてインストールすることが、これからの組織づくりの土台になる」と考え、導入を決めました。
▼人員拡大に伴い移転したばかりのfindのオフィスでメンバーと会話する高島さん

―――今回の受講者選定には、どのような期待を込めていましたか。
高島:組織全体でマネジメントの共通言語を作り上げていくという目的があったので、私を含む役員と、部長レイヤー、部長レイヤー候補の全メンバーで受講しました。
今後もマネジャー、リーダー以上には受講してもらうことにしています。
変化に揺るがない「組織の羅針盤」が誕生
―――組織としてはどのような変化を感じていますか。
高島:一番の収穫は、「すぐに実践できる打ち手」が数多く得られたことです。受講直後から、各マネジャーが自分の担当領域で具体的なアクションを起こしてくれて、2週間以内には何かしらの変化が現れ始めていました。
教わった全てを完璧に実行するのではなく「今、自分たちに必要なことから取り入れてみる」という意識の積み重ねによって、マネジャー一人ひとりが「課題に対して有効な選択肢を持てる状態」になっていった実感があります。
▼自身もマネジャーとして、EVeMの「型」の実践的な効果を実感したと語る奥田さん

奥田さん(以下敬称略):特に効果を感じたのは、「共通言語」が組織に根づいたことです。
研修を始めた当時は、ちょうど部長層を新設し、「部長会」という定例ミーティングを立ち上げたタイミングでした。異なるバックグラウンドを持つメンバー同士が集まる中で、目線や認識を揃えるのが難しい場面もありましたが、マネ型で学んだフレームワークや考え方が、次第に物事の捉え方や会話の土台になっていきました。組織全体の推進力が格段に高まったと感じています。
―――組織として最も影響のあったEVeMの「型」や考え方を教えてください
高島:戦略フォーマットの「GPKa」と、各部門の「チームの役割」を言語化する考え方です。
▼「戦略」をうまく作るためのEVeM独自のフレームワーク「GPKa」

▼チームの役割を言語化する重要性を説明するスライド

高島:EVeMで学んだ内容を参考に、まず会社全体の最重要目標を明確にし、それを達成するための重要課題を4つ設定しました。
さらに、それぞれの課題に対して、どの部門がどのように貢献するのかを言語化し、全社で共有できるように明示しました。
▼EVeMのフレームを使って全社に共有された、findの重点目標と重要課題

高島:このフレームを導入したことで、事業が成長し、部長職などの新たなレイヤーが加わっても、組織全体が一枚岩で進んでいける状態をつくることができました。
全社員が「自分の仕事が会社の重要課題のどの部分に貢献しているのか」を意識できるようになり、オーナーシップのある行動や、部門を超えた横断的な連携も自然と生まれるようになっています。
奥田:チームが誰にどんな貢献をするのかを言語化する「貢献モデル」の考え方は、特にバックオフィス部門にとって大きな変化をもたらしました。
管理部門の仕事は、定量的なKPIだけでは測りにくい部分も多く、以前は「誰に、何のために」働いているのかが曖昧になりやすい面がありました。「貢献モデル」のフォーマットをもとに役割を定義したことで、「自分たちの仕事が会社の重点目標のどこに効いているのか」が明確になり、目標への納得感や、自発的な提案・行動が増えていきました。
「思いやり」を軸に、しなやかに成長する組織へ
▼ 「人のやさしさ」で支える社会インフラ作りを行うfindのビジョン

―――今後、どんな組織作りを目指しますか。
奥田さん:今後、人がどんどん増えていく中でも、創業期から支えてくれた古株メンバーのDNAはしっかり受け継いでいきたいと思っています。
一方で、新しく入ってきた方々の視点や感性もとても大切です。世代やバックグラウンドを問わず、さまざまな価値観を取り入れながら、しなやかに進化できる組織を目指していきたいです。
高島さん:あたたかく、思いやりのある組織であり続けたいと思っています。
私たちが向き合っている「落とし物」というテーマ自体、人の善意ややさしさに支えられた営みです。だからこそ、思いやりを持って人と接する文化をこれからも大事にしたい。
もちろん事業は成長させたいし、数字も追う。でもその前提には、“人として”の優しさや誠実さがある。そんなバランスの取れた、あたたかい組織をつくっていきたいです。
▼受講した二人と担当Management Partnerの村上と山田 修平

EVeM HERO INTERVIEW
インタビュイープロフィール
株式会社find
代表取締役CEO
高島 彬さん
管理部長
奥田 恵さん
※役職は2025年6月取材当時のものです。
findについて詳しく知りたい方は、下記からご覧ください。
お客さまインタビュー
-

- プラットフォーム・マッチングサービス
- 101名〜300名
ココナラ執行役員が語る「できる」と思う人ほど、マネジメントを学ぶべき理由株式会社ココナラ
執行役員 竹下 加奈子さん -

- エンタメ
- PR・メディア
- IT・インターネット
- 301名以上
DMMらしい“勝利にこだわる”マネジメントを求めて――挑戦し続ける組織を後押ししたのはEVeMのマネジメントの型合同会社DMM.com
合同会社DGホールディングス代表 清水 勇人 さん 合同会社DMM.com 組織管理本部 人事部 兼 合同会社EXNOA 人事部長 黒田 賢太 さん -

- 301名以上
「自分の専門性は何?」オイシックス・ラ・大地のサービス責任者が、マネジメントの悩みを強みに変えるまでオイシックス・ラ・大地株式会社
サービス進化室 ヘルスケアセクション マネージャー谷本 結花子さん

