急成長ベンチャーが今、“大企業病”に備える理由
株式会社ALGO ARTIS
代表取締役社長 永田 健太郎さん
人事責任者 国家資格キャリアコンサルタント 飯田 良平さん
発電所や工場、物流など、社会の基盤を支える産業では、「いつ・何を・どれだけ動かすか」といった生産や稼働の計画が、日々の業務の要となります。
その複雑で人手のかかる“計画業務”を、AIとアルゴリズムの力で最適化し、効率的かつ柔軟に進められるよう支援しているのが、テックスタートアップのALGO ARTIS(アルゴアーティス)です。
フルカスタマイズ型のAI最適化ソリューション「Optium」に加え、2024年には化学業界向けの最適化プロダクト「Planium」をSaaSとして提供開始。製造、海運、電力、運輸といった幅広い分野へ事業を展開しながら、社会全体の“計画の進化”に挑んでいます。
今回はそんなALGO ARTISの代表取締役社長 永田 健太郎さんと人事責任者の飯田 良平さんに、事業拡大の中で浮かび上がったマネジメントの課題、そしてチームとして価値を発揮する組織づくりへの取り組みについて伺いました。

1年で社員30名→60名。急成長下で求められた再現性のあるチームづくり
▼急拡大する組織を支えるべく、コーポレートの体制強化を担ってジョインした飯田さん

―――組織体制としてはどんな課題がありましたか。
飯田さん(以下、敬称略):一番の課題は、組織が急拡大しているにも関わらず、共通のマネジメント方針やチームづくりの軸が整っていなかったことです。私が入社した頃社員数は30名ほどでしたが、そこから1年で倍の60名規模と、バックグラウンドの異なるメンバーが一気に増えました。マネジメントの役割を担う人員も増える拡大期のフェーズにおいて、各自の経験則に委ねた運営のままでは、いずれ組織の一体感を保てなくなるという危機感がありました。
個々のやり方は尊重しつつも、組織としての共通言語や指針がなければ、持続的にチームを機能させるのは難しい。そうした問題意識から、マネジメントの共通の指針となる「型」をつくる必要性を強く感じていました。
ちょうどそのタイミングは、これまで創業メンバーの役員が担っていたエンジニア組織のマネジメントを、現場のメンバーに引き継いでいく大きな転換期でもありました。だからこそ、個人の経験値に依存しすぎない、再現性のあるチームづくりを支える仕組みが求められていました。
▼「以前の職場での学びを今の組織運営に活かしている」と語る代表・永田さん

―――ALGO ARTISが「チームで成果を上げる」ことを大切にしているのはなぜですか?
永田さん(以下、敬称略):個々の能力が高くても、それだけでは組織としての強さにはつながらないことを痛感した経験が原点になっています。
以前在籍していた企業では、とにかく優秀な人材が多く集まっていました。ただ、各自が高い成果を出している一方で、チーム全体として一体感を持ってパフォーマンスを上げているかというと、そうは言いきれない状況でした。組織としての強さを引き出すには「個が強い」だけでなく、それらをつなぎ、共通の方向に向かわせる設計や働きかけが必要だと強く感じたのです。
特に、組織が一定以上の規模になると、現場と経営の橋渡しを担う“結節点”のような存在が欠かせません。ただ、スタートアップという環境下においてそのような役割を担える人材は世の中に多くいるわけではなく、きちんと育てていく必要があります。
「事業成長のためのマネジメント」に共感
▼全社で共通のマネジメント指針を育むため、全部門から総勢12名のマネージャーが受講

―――EVeMのプログラムを選択した決め手を教えてください。
永田:導入を決めた一番の理由は、「事業成長につなげるためのマネジメント」という軸が一貫している点でした。一般的なマネジメント研修の中には、「こうあるべき」といった精神論や部分最適にとどまるものも多く、組織全体の成果にどうつながるのかが見えづらいと感じていたんです。
その点、EVeMのプログラムは、組織づくりを支えるマネジメントのロジックがすべて“事業を強くするため”という目的の上に設計されていることが明確で、私自身の考え方とも非常にフィットしていました。加えて、プログラムの土台となっているEVeM代表の長村 禎庸さん自身の思想やバックグラウンドにも信頼感があり、単なる形式的な研修ではなく、本質的な組織開発につながると確信できたことも大きかったですね。
▼ALGO ARTIS社内でも共感を呼んだ、マネージャーの心得を伝えるプログラムのスライド

「マネジメントの型」を軸に、組織が前進
▼ALGO ARTISが開発した、生産スケジュールをAIで最適化するプロダクト「Optium」の実際の画面

―――組織としてはどんな変化を感じていますか。
飯田:一番の変化は、チーム間での“共通言語”が生まれたことです。これまではマネジメントの前提が各自で異なっていたため、議論がかみ合いづらい場面もありましたが、今では「この状況ならこう対応するよね」といった会話が建設的に進むようになりました。
永田:「マネジメントとは何か」を社内で自信を持って語れるようになったこともいい変化だったと思います。
以前は、“こうあるべき”という話をするのに抵抗がありました。今ではEVeMのプログラムを通じて得た考え方が社内での共通認識になりつつあるので、マネジメントに関する考え方をロジックを持って伝えられるようになりました。
―――組織に影響を与えたEVeMの「型」や考え方を教えてください。

飯田:実務への影響が特に大きかったのは、「戦略方針の、工数と見込まれるインパクトとの掛け合わせでリソース配分を判断する」という考え方です。目の前の業務と中長期的に重要な取り組みが混在する中で、どこにチームの力を割くべきかを整理する視点が得られたことで、アサインの判断やチーム内での議論がかなりクリアになりました。

飯田:また、個人的に印象的だったのは「モメンタムは意識的に醸成できる」という考え方です。以前は、チームの雰囲気は事業の浮き沈みに左右されがちであると感じていましたが、チームとしての重要ミッションに対する進捗の見せ方を工夫することで、ポジティブな流れを自らつくり出せると気づけたのは大きな発見でした。
“大企業病”に備えながら、成長し続ける組織づくりへ
▼今回受講した二人とALGO ARTISのクラスを担当するEVeM Management Trainerの村上 駿太

―――今後、どんな組織作りを目指しますか。
飯田:事業の成功やミッションの実現はもちろん大前提にありますが、その過程で個人と組織の両方が最大限にパフォーマンスを発揮し、成長していけるような状態をつくりたいと考えています。
強い個がただ集まっているだけではなく、それぞれが連携しながらチームとして大きな成果を出し、その過程を通じて個人のキャリアや成長にもつながっていく。そうした相互作用のある組織が理想です。
永田:少し引いた視点で言うと、「いかに大企業病にならずにいられるか」が今後の組織づくりの大事なテーマだと考えています。
例えば、上意下達ではない風通しの良い関係性や、チーム内でコーチングし合える文化を持てるかどうか。組織が大きくなっても、そうした自律性や柔軟性を保てるかがこれからの成長に直結すると考えています。今はまだそうした柔軟性を保てていますが、100人・200人と組織が拡大していく中で同じ状態を維持することは簡単ではありません。
以前私が所属していた企業も、500人を超えてもなおベンチャーらしさを持っていたことが強みでした。急拡大の中でも、変化を恐れず走り続けられる組織でいられるかどうか。それがこれからの勝負だと思っています。
EVeM HERO INTERVIEW
インタビュイープロフィール
株式会社ALGO ARTIS
代表取締役社長
永田 健太郎さん
人事責任者 国家資格キャリアコンサルタント
飯田 良平さん
※役職は2025年6月取材当時のものです。
撮影場所: WeWork 神谷町トラストタワー 共用エリア
ALGO ARTISについて詳しく知りたい方は、下記からご覧ください。
▼ALGO ARTIS
https://www.algo-artis.com/
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